39. ミュー(μ)同調器 特集 : 1970年頃の自作ラジオ用部品      公開:2021/07/27、更新:10/05

昔の自作ラジオ部品の中に、ミュー(μ)同調器がありました。 一般的なラジオでは、同調を取る際に
コイルのインダクタンスを固定にしておいてコンデンサを可変(バリコン)にしますが、μ同調器は
コンデンサを固定として、コイルのフェライトコアを機械的に動かす事によりインダクタンスを可変
とする訳です。 自作用には手頃で 小型なラジオを作れる特徴がありましたが、当時、貧乏な小学生
だった管理人は気楽に買える状況になく、最廉価モデル M-100 を購入し、後生大事に使いました。
その反動でしょうか、平成時代になりヤフオク等にμ同調器が出ると高額でも つい落札してしまい、
とうとう当時の主要μ同調器を揃えました。 揃えたからには、当時 できなかった 特性のチェックも
実施し、備忘録を兼ねて本コーナーにまとめる事にしました。 以下、順番に紹介していきます。 
 −−−−【 更 新 】[ Q値についても簡易法で測定。 >>> 一番 下の写真を参照。 ]−−−−−− 
【 メーカー名 : マックス電機株式会社、 製 品 型 名 : M-100、 M-200、 M-300 】       
  データシート(と言っても 簡単な物・・):右リンク参照 >> MAX_Mu-Tuner (GIF / 80kB) |
(1) 単巻きコイル型 M-100      インダクタンス 実測値 : L(max)=748uH,  L(min)=74uH 
  付属コンデンサ 100pF との共振周波数=受信可能周波数 : 625〜1,850kHz(計算値)
 → うーん、結構 ずれてるな。 これだと、あと C=30pF 程度を並列にして、丁度いいくらいか。
 (フェライトコアの長さ L=35mm、その可動ストローク長もおなじ程度の構造になっています。)
 (注:ここでの周波数ズレは AM 中波 放送帯 535〜1605kHz と比較しています。 以下、同じ。)



(2) 再生コイル付き M-200      インダクタンス 実測値 : L(max)=648uH,  L(min)=62uH 
  付属コンデンサ 100pF との共振周波数=受信可能周波数 : 581〜2,021kHz(計算値)
 → あかん、もっと ずれてる。 追加 C=50pF を並列にすると 510〜1,650kHz で、丁度よい。



(3) 壺型タップ付き M-300      インダクタンス 実測値 : L(max)=816uH,  L(min)=75uH 
  付属コンデンサ 100pF との共振周波数=受信可能周波数 : 557〜1,843kHz(計算値)
 → ああ、これも ずれている。 (1)と同様、あと C=30pF 程度を並列にして、丁度いいくらいか。
 (こちらはフェライトコア長 L=20mm と短く、可動ストローク長もおなじ程度しかありません。)



※ ダイヤル目盛について : 私の記憶が確かならば、1970年当時のダイヤル目盛は回転角に合わせて
 270度近くの範囲で周波数を書いてあった筈だが(下図 右側イメージ)、平成以降に入手した物は
 皆 180度しかなく(下図 左側)これでは同調点が合わぬ。 コストダウンでこうしたのだろうか?
 (注:右下の画像は、スキャンした画像をもとにして合成した物で、実在しません・・・)   



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【 メーカー名 : 株式会社 ミューラー電機製作所、  製 品 型 名 : μG-61、 μR-62 】       
  データシート(但し 配線図+α 程度):右リンク参照 >> Muller_Coil (GIF / 60kB) |
(1) 単巻きコイル型 μG-61      インダクタンス 実測値 : L(max)=831uH,  L(min)=96uH 
  付属コンデンサ 100pF との共振周波数=受信可能周波数 : 552〜1624kHz(計算値)
 → 本製品も約25pF追加でMW帯をカバー要。【訂正'21.12.19】 付属コンデンサは、セラコンか?
 (フェライトコアの長さ L=30mm、その可動ストローク長もおなじ程度の構造になっています。)



(2) 再生コイル付き μR-62      インダクタンス 実測値 : L(max)=840uH,  L(min)=91uH 
  付属コンデンサ 100pF との共振周波数=受信可能周波数 : 549〜1,668kHz(計算値)
 → 本製品も約25pF追加でMW帯をカバー要。【訂正'21.12.19】 付属コンデンサは、セラコンか?



 ミューラー製品の方は、ダイヤルの目盛の書き方を 回転角と合わせ、きちんと書いてある様です。
 そうそう、ミューラーには(実物は見た事ないですが)コイルを 2個並べ 二連バリコンの様にした
 面白いμ同調器もあった様です。 その資料は >> 電波実験_昭和34年4月 増刊号 (JPG / 505kB) |
 −−− −−−[ 2021/10/05 追 加 分 ]−−− −−− −−− −−− −−− −−− 
ここより下、Q値の測定結果。 測定法の詳細については No.43「中波帯コイルのQ値測定」を参照。





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