45. 現行品の市販 AM/FM ラジオキット 2題 : アナログ式 & DSP式         公開:2021/11/23

2021年現在も扱われているラジオキットについて記述。アナログ式では回路構成について詳しく調査。
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(1)アナログ式 : 2013年、近所のリサイクルショップでラジオキットと思われる回路基板を発見。
  わずか \60(!)という破格値だった為、即 購入。当時はボロボロな紙の箱も付属してましたが
  それは捨ててしまいました。下の写真は、基板の本体と電池BOX・スピーカー・アンテナ線です。

入手後にネットで情報を探すと、(株)アーテック製の基板配線済ラジオで、外側の入れ物を牛乳の
紙パック等にアレンジして楽しむキットです。回路がどんなものか興味が涌いて、解析しました。
以下、元の姿と思われる製品外観・基板の写真や、基板パターンから起こした回路図を示します。

使用ICはキットでお馴染みの物で、初めに三端子AMラジオ用TA7642、これは LA1050, LMF501の
流れを汲むデバイス。次はワンチップFMラジオ用CD9088、旧シグネティックスTDA7088互換品。
このFMラジオICは、1983年に発表のTDA7000と同様の検波(位相弁別)をする物で、FLLによって
FM-IFの周波数偏移を±15kHzに圧縮する事で、スーパーヘテロダイン方式にも拘らず簡単な外付け
回路を実現しました。最後は、音声出力用TDA2822、アンプを2個内蔵しスピーカーをBTLで駆動。

AMチューナー部 TA7642の使い方は Vcc=3Vと高くしたのに合わせて、バイアス抵抗も大きくして
利得を最適化している様です。 FMチューナー部のCD9088は、選局の自動スキャン機能を使わない
様にしています。こうした理由は色々と考えられます・・・ 子供たちに「選局・同調」の感触を知って
欲しいのか、それとも単に 自動スキャン用の押しボタンを付けるのが コスト的に厳しかったのか。
こういう製品の調整、電界強度の強い所・弱い所を想定して対応されると思うので、大変そうです。

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(2)DSP (Digital Signal Processor) 方式 : 2019年 ホビーショップで新品を購入、下に写真(↓)。
   最新ラジオも知った方が良いと思い、エレキット AM/FM Radio TK-739 を組み立ててみました。
  やってビックリ! ハンダ付けをしたのみで、本当に何も調整せずに鳴ってしまい、拍子抜けです。
  同調もバリコン(VC)でなく ボリューム(VR)で行いますが、アナログ式でバリキャップの印加電圧を
  変える時の感触と異なり「DSP-IC の方から放送を捉える(引込み発振の印象?)」感じがします。

上が正面の写真。同調・音量VRのツマミは黒一色で何も描いてなく、何か表示追加が欲しいところ。
次に、下の写真は裏側。電池BOXを 浮かせて取り付け、スタンドと兼用した点は、上手いアイデア。
更に下の写真が搭載IC。 DSP Radio IC はよく使われる物で、価格も \200程度と Reasonable。
音声出力ICは東芝のセカンドソースと思われます。何れも有名なICなので、説明を省略しますが、
Si4825 は デジタル音量調整機能 = 不使用の状態なので、使える様に改造する余地があります。




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