54. 昔の「ゲルマラジオ」を 高感度 ICラジオに改造(LA1600使用)         公開:2022/09/03

数年前に、ヤフオク! で 昭和40年代の物と思われる「ゲルマニュームラジオ」を入手しました。

ダイオードや抵抗のリード線は 錆びている状態ですが、素子は活きています。 また、有難い事に
貴重なロッシェル塩のクリスタルイヤホンも機能を保っているので、鳴らしてみようと思います。
ただ、現状では筆者の居住地(新潟県 中越)が 弱電界地域、かつ マンション住まいなので無理。

(本体サイズ:LxWxD=80x54x23mm / クリスタルイヤホン 内部に突起 → ロッシェル塩型)

そこで今回は、本体の空きスペースに回路基板や電池を搭載し、高感度ラジオに改造してみます。
改造の方針として、外観は オリジナル状態を維持し、追加の穴加工などは 行わない事とします。
※ なお 組み込んだ回路基板や電池は、取り外して元のゲルマラジオに戻せる様、配慮しました。
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改造する前に、各部品のチェックや(記録を残す意味で)添付説明書の画像を掲載しておきます。
まず、2cm 角 ポリバリコンです(↓)。 昔 よく見たタイプで Made in Japan の丁寧な造りです。

次は、バーアンテナ(コイル)、ゲルマニウムダイオード、抵抗器など。一部 リードが錆びた点を除き
半世紀前の物とは思えぬ程、外観が綺麗(↓)。VC,Lの値は、LCメーターでの測定によるものです。
LC共振周波数を計算すると バリコンの羽根が入った状態で 522kHz になり、ちょうど良いです。
バーアンテナは、よく見ると PA-63R と同サイズのフェライトコアで、μ同調器とも 共通かも・・・・

ケースに捻子でバリコンを固定し、コイルを嵌めた状態(↓)。他の部品を搭載しても、スペースは
かなり余りますね。右の写真は、イヤホンジャックを電源スイッチ兼用に改造した様子(↓)です。

添付説明書です(↓)。とてもシンプルな物で、今では見られない構成だと思います。(下に続く)

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高感度ラジオへの改造です。バラック評価結果より、IC LA1600 使用 ストレートラジオとします。
これは 以前、サトー電気さんのキットにあった回路を流用したもので、シンプルな構成で 高感度に
できます。 LA1050/LMF501/TA7642等の三端子ラジオと比べ 発振し難く、AGC範囲も広いです。
全体回路は下図の通りで、PNP-Tr 2SB175 による低周波アンプ(G=約16dB)も追加してあります。
(昔のラジオを改造するので 低周波アンプ用には、当時 使われた PNP-Tr を 実装してみました。)



下の写真は、LA1600と周辺部品を実装した基板の拡大。更に下は、全体の配線状況の画像です。
高感度にする為、バーアンテナには SL55GT を使って、オリジナルの小型コイルは 保管します。


上記の結果、主観的な比較ですが とても高感度なラジオが出来ました。別項で問題だった 高周波
帯の感度低下がなく、NHK新潟 第2放送(1593kHz)も キチンと受信できます。音を聴いていると
「ロッシェル塩」の クリスタルイヤホンは 低〜高域のバランスが良く、聴き疲れしない様です。
音量調整ボリュームは無いので、バーアンテナの向きを変える事によって音量を調整します。昔の
自作ラジオの多くは、このやり方でした。電源スイッチは、イヤホンジャックで兼用しています。
今は計測器があるので、低周波アンプ回路も 波形を見つつ 最適バイアス・利得に調整しました。
【 補 足 】 今回 用いた、1次型 Lithium 電池 CR2用 ホルダーの写真(↓)。板金を曲げ加工しました。
 (+電極:プラ板を加工し絶縁用に使い、銅箔を貼り 導線を半田付け。−電極:そのまま使用。)

こちら(↓)は、完成後の全体写真。アンテナ線は不要となったので、ストラップを付けてあります。




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