63. 真空管 8045G、「最後の」 オーディオ用 大型三極出力管      公開:2023/05/28・追記:2023/06/19

前回(No.62)の続きになりますが、何と 新潟県内のジャンク屋で、幻の(?)大型オーディオ用
三極出力管 8045G を 購入できました。 1本のみですが、測定やアンプの試作を考え、項目を
分けて取り上げます。新潟でも真空管が流行ってきているのかな? まず、外観写真から(↓)。
見た限りでは使用感は余りなく、ゲッターも濃いです。また、側面印字(LUXMAN 等)も擦れて
おらず、まずまずの状態かと思います。古くなったアンプから 無事な物を取り出したのかも。

ここで改めて、8045G の仕様を確認しておきます。(出典:トランジスタ技術 1975-03 広告)
特性カーブより、三定数を概算:μ=5.0, rp=600Ω, gm=8.3mS で、かなり 低内部抵抗です。
( [ 2023/06/19 追 記 ]注 ・・ 上記は、Eb=250V、A1級動作における概略値です。)

広告に書いてあるコメント(↓)がイイですね。球を"弾"に例えていて、とても気合が入ってます。

早速、簡易評価として エミッション試験をします。上記の静特性カーブより、ゼロバイアス時
(Eg=0V)、Eb=100V で Ib=300mA 程度 流れるので、バラックで組んで動作させてみます。
結果は下記画像の通りで、ヒーターの設定 Ef=6.0V, If=2.5A において 上記の値を得ました。
(よくあるとされる)熱暴走等の事故を防止する為、ヒーター電力を抑えて使おうと思います。

問題なく使えそうなので、今後(モノラルですが)シングルアンプを試作しようと思います。
以下、ヒーター点灯状態・ビーム電極側から見たグリッドと ヒーター光の写真(美しい・・)。



========== [ 2023/06/19 追 記 ] ===================
三極管のA1級動作で10Wという弩級パワーを得られる 8045G において、自己バイアス回路で
動作させたら カソード抵抗の発熱はどんな状態になるのか、下図の回路で実験してみました。

その結果、Rkに10Wのセメント抵抗を用いても Pd≒5W あり、当然ながら 60℃を超える高温。
また High-gm 管なので、グリッド抵抗が無いと 見事に発振(テスター表示が不安定な動作)。
アンプを作製する際は、上記の現象や放熱を対策する様に、注意して取り組もうと思います・・・。

シングル動作で10Wという最大級の三極管をGETした記念?として、「パワーマップ」を 描いて
みました。勿論、独断と偏見によるもので(笑)、また ここでは傍熱形の三極管限定です。この様
にして見ると、8045G が 高電力ヒーターで内部抵抗を下げ、2A3 並のバイアスで 出力 10Wを
達成したという事が感じられます。 注:6CA7, 6G-B8 は、三極管接続とした時の代表値です。




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