68. 戦中派の高圧・高真空整流管 ケノトロン Kenotron K-251 (K251)           公開:2023/09/25

真空管を蒐集(シュウシュウ)する中で、掲題の球(タマ)「K-251」が 2本 になりましたが、モノが古すぎて
仕様が判らなかった為、色々と調べてみました。まず、現品の外観は下の写真の通りで、送信管の
「UX-800」と同サイズ、全長170mm と大きく、飾っておくだけで 大変、見映えがするものです。
写真の上側、東芝通信製の方は製造日が「昭 19.11.1」とあり、戦争中で物資が乏しい時なので、
節約の為 足が2本に されており、当時の大変だった状況が偲ばれ、何とも言えぬ気分になります。

下の写真は 規格が判った後、遊びで K-251・UX-800・K-251の繊条を直列で点灯しているところ。

昔の「マツダ真空管規格表」を見ると、ひとつ隣の型名で「K-252」という球があり、試しにその
フィラメント電圧 Ef=5.0V を印加すると If=2.5A 流れる事を 確認できましたが、この条件では
光り方がやや暗く、またプレート電流は Eb=300V 印加しても全く流れない為、更に調査を継続。
キーワード「高真空整流管」で 検索の結果、電気学会の論文(下図)より、どうやら Ef=10V と
高いものである事が判明。 念の為、更に調査すると「海軍レーダー徒然草」というサイトより、
22号電探(レーダー)の マグネトロン電源に用いた高圧整流管、この関連資料からも Ef=10Vと
確証を得た為、思い切って Ef=10Vで点灯したら、何と If=4.0A, Pf=40W (!) の 大飯喰らい。

なお、この条件ならエミッションも多く Eb=100V, Ib=100mA で プレートも少し赤熱状態 (↓)、
当時はこの球×3本で 三相交流を整流した様なので Eb(max)=20kV, Ib(max)=50mA 程度と推定。
大凡(オオヨソ)の仕様が判り よしとしますが、これはすぐ何かに使える訳ではない為、飾っておきます。

動作中は、上の写真の如くフィラメントの発光が大変 眩しく、また発熱も凄いです。恐らくプレート
頭頂電極より放熱して使う必要がありそうです。しかし約80年前の球が、無事 動作して良かった・・・
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以下、その他の写真。管面の表示を撮影にTRYしようとしたりしていますが、仲々うまく写らない・・・




最後の写真は「螺旋状(スパイラル)フィラメント」を拡大した物。これまた、ややピンボケです。

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