69. 電池管ラジオ(1R5, 1T4, 1AH5 / 1U5-SF 小型スーパーラジオ)         公開:2023/10/11

我楽多(ガラクタ)の中から 筆者が40年前の学生時代に組み立てた掲題のラジオが出てきたので、どの
様な物か振り返ります。残念ながら今では合う電池(45V)が無く、配線も一部で切れた状態な為、
リニューアル(全バラシ・新ケース組み込み)を考え、まずは回路図おこしからスタートします。
全体写真は下の通りで「小型」と言っても W165×H125×D30 [mm] で、かなり大きな物です。
クリスタルイヤホンで聴く方式で、こんな物でも当時としては聴き易い音だった記憶があります。

下の写真は裏側から撮影。IFTがポータブル用でない通常の(mT)真空管用の物を流用している為、
この様に大型です。 赤い円形のシールに「昭和59年に電池を交換」した履歴が書いてあります。

3枚目の写真(↓)は各部品とその配線状況。筆者が貧乏だった時期の組立品な為、使用した部品は
中古品・ハズシ品のオンパレード。 当時ですらリーク電流が心配なペーパーコン、抵抗値も碌に
確認していなそうなソリッド抵抗器。リニューアル時には、全て交換が必要になる事でしょう・・・

配線の引き回し・半田付け状態も拙く、今 見ると、よくこんな物で 鳴っていたな〜と思います。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ここで、配線を追い駆けて 回路図おこし (↓)。構成は「教科書通り」の電池管スーパーラジオ。
B電池節約・ゲイン増加 目的か、音声増幅管1AH5周辺抵抗を大きく設定した点が目に付く程度。
【 '23.10.15 誤記訂正 】1AH5 / 1U5-SF G3電極 引き出し先を +F → -F (GND) に修正しました。

当時、筆者が所有する まともな測定器と言えば、針式のアナログテスターのみ。そんな状況下で、
ANTコイルは 自作によるエナメル線巻きにより作製(エアバリコンの可変容量範囲に合わせた)。
単一調整では、IFT が 455kHz に同調している事を「祈りつつ」、OSCコイルを微調整し 同調点と
感度が最大となるポイントを追い込んだ記憶があります。 若いので、根気が続いたのかな(笑)。
また、OSCコイルは 当初、No.88豆コイルを検討しましたが、発振が弱く うまくいかなかった為、
これについても 他のラジオからのハズシ品に補助コイルを巻いて、作製した物を組み込みました。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
最近、気付いたのですが、クリスタルイヤホンと思っていた下の写真の物、耳穴 対向部分の突起が
見えない為、どうやら「セラミックイヤホン」の様です。この頃から 出回っていたのでしょうか?

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ここより下は、バリコン・ボリューム つまみを外して、中身の詳細写真を貼ります。(備忘録用)
初めに ツマミを外した所(↓)。プラケースにネジ止めしていた為、ヒビが入ってしまっています。

次は バリコン 近影(↓)。組立後からで考えても40年経過している訳ですが、サビも無く綺麗です。
周波数変換管1R5とバリコンが殆ど接触しておりNG。この点は リニューアル時の改善が必須です。

中間周波増幅管1T4、低周波増幅管1AH5 近影。周辺の配線は余裕あるが、ソケットの劣化が心配。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【当時の思い出】単一調整がうまくいき 東京・練馬の自宅で主要7局(NHK第1・第2, FEN, TBS, 文化,
ニッポン放送, ラジオ関東)に加え、茨城放送・栃木放送まで 入感した記憶があります。今 考えると、
上記2局は出力が 5kWあり、まあ当然かと。夜になると ニッポン放送と モスクワ放送が 混信気味でしたが
このラジオでは よく分離して聴けていた記憶があります(多少、贔屓目が入っているかも・・)。
電池管独特の音:スイッチを入れた時、フィラメントが加熱され張力が変化する事によって生じる
「ピリリリ・・」という音(イヤホンでないと聞こえない)が独特で、とても印象に残っています。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



※ お願い : 本サイトの画像・回路図・データ類の著作権は、管理人にあります。無断転載はご遠慮願います。

注)この下のスペースは、スマホで閲覧時 CMが出て 隠れる部分がある事を対策する為、追加した物です。







inserted by FC2 system