73. 真空管 50EH5 のヒーターを AC100V で点火する方法 3選              公開:2024/03/16

昭和40年代頃、ポータブルのレコードプレイヤーという物がありました。 モノラル型では、真空管
1本でアンプを構成(下図)、クリスタル Pick-up で 直接、High-gm管 50EH5 を 鳴らしました。

この場合、50EH5のヒーターを 商用電源AC100Vで 如何にして点灯するか?が、問題となります。
日本には 米国 117N7(GT)系の球(商用電源で点火可)が 無い為、電圧を下げる必要があります。
筆者の学生時代に見た手法は、下の回路図に描いた方式: 1. 直列抵抗・ 2. オートトランス です。
ここでは 当時の部品がガラクタの中にあったので、50EH5のヒーターを実際に点火させてみます。
上記と併せて、回路図右側の 3. 直列コンデンサ についても、容量値の計算や点灯実験を行います。
(なお、回路図との照合し易さの観点より、容量値の計算は回路図のすぐ下に配置してあります。)

現物の写真を紹介。まず 大型のヒーター用抵抗器と真空管 50EH5、実験用コンデンサです(↓)。
抵抗器が真空管よりも大きい! これを初めて見た時(半世紀前)は、子供心に「こんな発熱体が
装置内にあってもいいの?」と思いました。50V×0.15A=7.5W も 熱として捨てる訳ですから。

次の写真(↓):直列抵抗で 50EH5 を点火中。抵抗器の近傍温度は、15分程度で 60℃近くに上昇。
大変 ラフな測定ですが、恐らく抵抗器本体の表面温度は 70℃ を超えているものと考えられます。

100V:45V オートトランス(↓)。 これは現在、ラジオの電源フィルタに使用中の為、写真のみ。

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他のサイトでも見られる、直列コンデンサ(方式)を試します。計算は 2番目の図の枠内を参照。
商用AC 50Hz の場合、C≒5uF になるので、10uF アルミ電解コンデンサ 2直列を 試してみます。
一般のアルミ電解コンデンサを この用途に使う事は、当然 保証対象外の為「自己責任」です・・
リップル電流を考慮し、0.15A rms の 半波を受け持つものとして KMG 350V 10uF を使用 (↓)、
実際に通電してみた結果、発熱等はなく、容量バランスが崩れなければ、使えるものと考えます。


ここで 通電時の電圧波形を比較(↓)。当然ながら コンデンサ方式は位相進みがあり、低力率です。




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